皐月(5月)
田植えをする月ということから早苗月(さなえづき)を省略したと言われています。また、「皐(さ)」には「神に捧げる稲」という意味があり、この字が当てられたそうです。
~二十四節気~
6日 立夏
夏の始まりの時期です。さわやかな青空に、こいのぼりが気持ちよさそうに泳ぎます。一年のうちで、もっとも過ごしやすい季節です。
21日 小満
あらゆる生命が満ち満ちていく時期のこと。太陽の光を浴び、万物がすくすく成長していきます。
~伝統行事・風習~
2日 八十八夜
雑節のひとつで、立春から数えて八十八日目にあたる日のことです。暦の上では、この日から夏になり、農作業を始める目安になりました。また、「米」の字を分けると「八十八」になることや、末広がりの八が重なることから、縁起のいい「農の吉日」ともされます。
しかし、この頃は昼夜の寒暖差が激しく、農作物が遅霜の被害を受けることもあります。そのため、天候へ注意を促すため、暦に記されるようになりました。「八十八夜の別れ霜」という言葉があり、このあとは霜の心配がなく、農家では茶摘みや苗代づくりに精を出します。
5日 端午の節句
端午の端は「はじめ」という意味で、元々は月の最初の午の日を言いました。また、十二支の寅を正月とする暦では、午は5月にあたり、奈良時代以降、午(ご)という文字の音が五に通じることなどから、5月5日に定着していきました。
中国では、5月に菖蒲の薬草を使い、漢方として利用したり酒にして飲んだりして、厄除けや魔除けをする風習がありました。武士が活躍する江戸時代には、この風習の「菖蒲(しょうぶ)」の音が、武を重んじる「尚武(しょうぶ)」と同じであることから、「端午の節句」は、「尚武」の節句として盛んに祝われるようになったのです。
子どもがたくましく成長することを願って飾る五月人形は、端午の節句に欠かせません。
五月人形とは端午の節句に飾る、兜や鎧をまとった人形のことです。子どもを災厄から守るといった意味が込められています。
また、こいのぼりは、子どもの健やかな成長を祈願して飾られる日本伝統の風習です。歴史的には江戸時代から始まった文化で、武士が幟(のぼり)や旗指物(はたさしもの)と呼ばれる飾りを置いていたことが起因していると考えられています。
現代でも端午の節句に飾るお家が多いようです。
5月上旬 伊勢神宮神田御田植初(しんでんおたうえはじめ)
神嘗祭をはじめ諸祭典にお供えするお米の早苗を植える御田植式が、神宮神田で行われます。地元の神宮神田御田植祭保存会の奉仕により古式ゆかしい装束で苗を植えていきます。
植え終わると、竹扇で神田のイナゴを払う動作を見せ、恵比寿と大黒の大団扇(ごんばうちわ)を持った男性が神田をめぐりながら団扇合わせを行い、豊作を祈ります。(県指定無形文化財)
14日 伊勢神宮風日祈祭(かざひのみさい)
両正宮をはじめ諸宮社の大御前に幣帛・御笠・御蓑を奉り、天候が順調で風雨の災害がなく、五穀の稔りが、豊かであるようにお祈りします。
風の神として知られる風日祈宮(かざひのみのみや)と風宮(かぜのみや)の祭神は、イザナギとイザナミの間に生まれた級長津彦命(しなつひこのみこと)と級長戸辺命(しなとべのみこと)です。鎌倉時代、蒙古襲来・元寇の時に2度の神風を吹かせ国難を救ったとされています。その功績から1293(正応6)年に末社格の「神社」から「別宮」に昇格しました。
14日 伊勢神宮神御衣祭(かんみそさい)
神様の衣を「神御⾐(かんみそ)」といいます。神宮では毎年春と秋、天照大御神に和妙(にぎたえ)と呼ばれる絹と荒妙(あらたえ)と呼ばれる麻の反物(たんもの)を、御糸、御針などの御料と共にお供えする神御衣祭が行われています。
5月と10月の14日に皇大神宮と第一の別宮で天照大御神の荒御魂をお祀りする荒祭宮(あらまつりのみや)に神御衣を奉ります。豊受大神宮やその他の宮社では行われない、天照大御神だけを対象にする大変意義深いお祭りです。
※伊勢神宮公式HP、伊勢志摩観光ナビなどを参考に作成しています。