卯月(4月)
「卯の花が咲く月」が省略され「卯月」になったという説が有名です。ほかにも、稲を植える月の「植月(うゑつき)」「種月(うづき)」「田植苗月(たうえなへづき)」「苗植月(なへうゑづき)」が転じた説などがあります。


~二十四節気~

5日 清明
清明とは、万物が清らかで明るく生き生きとした様子を表した「清浄明潔(しょうじょうめいけつ)」を略した言葉です。花が咲き、蝶が舞い、空は青く澄み渡り、爽やかな風が吹く美しい季節です。

20日 穀雨
「百穀を潤す春の雨」という意味を表す言葉です。たっぷりと水分と栄養がため込まれ、地上にあるたくさんの穀物が元気に育つ頃です。また、田んぼや畑の準備も整う頃で、昔から農家では穀雨の日を、田植えを始める目安にしていました。


~伝統行事・風習~

4日 伊勢神宮神田下種祭(しんでんげしゅさい)
神嘗祭をはじめ、諸祭典にお供えする御料米の忌種(ゆだね)を神田に蒔くお祭りです。
毎年4月の初めに行われる米作りの最初の祭典で、神宮で執り行われるお祭りのほとんどが稲作を通した五穀豊穣への願いにつながっています。
神田下種祭は、「忌鍬(ゆぐわ)」と呼ばれる田を耕す道具を作るところから始まります。完成したばかりの鍬を持ち耕す所作を行い、清浄な米の種「忌種」を神田に蒔きます。この時、御田歌(みたうた)「天鍬(あめくわ)や 真佐岐(まさき)のカヅラ 笠にきて 御田(みた)うちまわる 春の宮人」を唱和します。

28日~30日 伊勢神宮春の神楽祭(かぐらさい)
神恩に感謝を捧げ、国民の平和を祈って行われる行事で、舞楽や神苑の神賑行事が拝観できます。
舞楽は唐楽・高麗楽(朝鮮半島から伝わった音楽)を伴奏とする舞のことです。唐楽の舞は左舞と呼ばれ、赤色を基調とする装束を着けて舞うのに対し、高麗楽の舞は右舞といい、緑色を基調とする装束で舞います。
また、唐楽には笙・篳篥・龍笛・羯鼓・太鼓・鉦鼓など、高麗楽には高麗笛・篳篥・太鼓・鉦鼓・三ノ鼓などの楽器を用います。
神宮で伝承している雅楽は、国風歌舞・舞楽を含め数十種類に及ぶそうです。

お花見
春になると田の神様が山から里へおりてくると考えられていました。田の神様は桜の木に宿ると信じられており、桜の開花は田の神様がやってきたしるしとなるため、桜の下で田の神様の到来を祝ってもてなしたそうです。桜の開花具合でその年の収穫を占ったり、農作業の準備を進めたりしていました。
現在のように花を観賞するようになったのは奈良時代に中国から日本に伝わったと言われています。ただし当時は桜ではなく、梅を鑑賞していました。その後、日本独自の文化が重要視されるようになり、梅から桜に変化していきます。元々は貴族の行事でしたが、鎌倉時代になると武士にも広まり、江戸時代には庶民もお花見を楽しむようになりました。
おかげ横丁でも五十鈴川の桜の開花に合わせ「五十鈴川桜まつり」を開催しています。

※伊勢神宮公式HP、伊勢志摩観光ナビなどを参考に作成しています。