1月に食べる行事食・食べ物を紹介します。


おせち
お正月に家族や親戚と集まり新年を祝う際に、重箱に詰められ、数種類の料理が盛り付けられた「おせち」をいただきます。もともとは豊作を感謝し、神様へのお供えものとして作られていましたが、今では長寿や幸福を願う意味が込められた縁起の良い食材を使うことが多いようです。
【黒豆】まめ(勤勉)に働き、まめ(健康)に暮らせるように
【数の子】卵の数が多いことから子宝に恵まれ、子孫繁栄するように
【たつくり】片口イワシを撒いて豊作となった田畑があったことから、五穀豊穣を願う
【昆布巻】「喜ぶ」にかけて縁起をかつぎ、健康長寿を願う

お屠蘇(おとそ)
お正月に無病長寿を願って飲みます。
もとは中国の三国時代の名医が災難厄除けのために、生薬を調合してお酒に浸して飲んだのが始まりと言われていて、日本には平安時代に伝わりました。平安貴族の正月行事のひとつとして取り入れられたものでしたが、江戸時代には一般庶民の正月行事として定着していきました。
地域によっては日本酒をお屠蘇代わりに用いる場合もありますが、本来は日本酒とは異なり、屠蘇散(とそさん)と呼ばれる5~10種類の生薬を配合したものを、日本酒やみりんに漬け込んだ薬草酒です。

お雑煮
お正月の定番「お雑煮」は、集落の数だけ種類があるといわれるほど、地域によって具や味つけに特色があります。もともと、年越しの夜に「年神様」に供えた餅と地場の産物を年明けにひとつの鍋で煮て食べたのが始まりです。

七草粥
1月7日は五節句の一つ「人日の節句」です。この日は、邪気をはらう力があり、食べると1年病気をしないと言われている七草粥を食べて無病息災を祈る風習があります。
中国・唐の時代に、人日の節句に七種の若菜を入れた「七種菜羹」という汁物を食べ、無病息災を願ったのが日本に伝わりました。また、日本では、年の初めに若菜を摘んで新しい生命をいただく「若菜摘み」という風習があり、それらが相まって、1月7日に七つの若葉を入れたお粥を食べる習わしが定着したようです。
【春の七草】せり、なずな、ごぎょう、はこべら、ほとけのざ、すずな(カブ)、すずしろ(ダイコン)

おしるこ
正月に年神様にお供えした鏡餅を開き、家族みんなで平穏を祈りながらいただきます。
あずきの赤には邪気を払う力があるとされ、五穀豊穣や子孫繁栄を祈り食べられます。
鏡開きは元々武家から始まった行事であったため、刃物で「切る」のは切腹を連想させるので避けられました。代わりにお餅を手や木槌で割ることになりましたが、「割る」も縁起が悪いので、末広がりを意味する「開く」という言葉を使うようになりました。

小豆粥
1月15日の小正月には、1年の健康を願って小豆粥を食べる風習があります。「十五日粥」や「望粥(もちがゆ)」とも呼ばれています。
年末年始にごちそうを囲ん疲れたお腹を休めるのにピッタリです。