4月20日から二十四節気は穀雨です。

雨が百穀をうるおし芽を出させる頃です。


伊勢神宮の祭典・その他の行事

4月28日~30日
春の神楽祭
神恩に感謝を捧げ、国民の平和を祈って行われる行事で、舞楽や神苑の神賑行事が拝観できます。
午前11時と午後2時に、内宮神苑の特設舞台で舞楽が公開されます。
【振鉾(えんぶ)】
舞楽にあたり初めに奏されます。
古代中国の故事に由来し、左方と右方の舞人が鉾を振り天地を鎮め安んじて、天下泰平を言祝ぐめでたい舞楽です。鉾で天地をはらうことから舞台を祓い清める舞楽ともされます。
【胡蝶(こちょう)】
平安時代中頃、宇多上皇が童相撲をご覧になる際、藤原忠房が曲を、敦実親王が舞を作られました。左方の舞楽「迦陵頻」と共に、童子の舞として名高い曲です。
装束は彩の様々な蝶の刺繍が施された萌黄色の袍を着け、背には極彩色の大きな蝶の羽を負い、蝶が花から花へと飛び、舞い遊ぶ情景を思わせます。

5月1日
神御衣奉職始祭(かんみそほうしょくはじめさい)
5月14日の神御衣祭に奉る神様の衣である和妙(にぎたえ・絹布)と荒妙(あらたえ・麻布)を織り始める日です。和妙は神服織機殿(かんはたとりはたどの)神社、荒は神麻続機殿(かんおみはたどの)神社のそれぞれの八尋殿(やひろどの)において奉織されます。
まず奉織始祭を執り行い、清く美しく織り上がるようにお祈りをささげます。13日には織り上がり鎮謝のお祭りを行います。

5月2日
八十八夜
立春から数えて八十八日目。
「八十八夜の別れ霜」という言葉があり、このあとは霜の心配がなく、農家では茶摘みや苗代づくりに精を出します。
この日に摘んだお茶を一番茶として飲むと、一年を無病息災でいられると伝えられています。

5月5日
猿田彦神社 御田祭(おみた)
毎年5月5日に豊作豊漁を祈願して行われる神事で、桃山時代の風俗衣裳を身につけた男女が田楽の囃子にのって苗を植えていきます。挿苗後は御神田で大団扇を打ち合わせる「団扇角力(うちわずもう)」が行われ、御神田での行事が終ると拝殿前に移り「ハエーヤハエ」の掛声とともに「豊年踊」が、そして「団扇破り」が行われます。

5月5日
こどもの日
こどもの健やかな成長を祈る日です。また、五節句の一つ「端午の節句」でもあります。
端午の節句は平安時代から続く習俗で、菖蒲の節句とも呼ばれています。
鯉のぼりをあげ、五月人形を飾りお祝いします。


植物・自然

春疾風(はやて)
春に日本海側を西から東へと通過する低気圧に伴って吹く南寄りの風のことです。
冬から春への境目であるこの時期、低気圧の通過に伴って暖かい春疾風が吹いたあとは、また冷たい冬のような気温に戻ります。春疾風が繰り返し吹くことで、次第に暖かくなっていき、春本番を迎えます。

霾る(つちふる)
「黄砂」のことで、土が降るという意味です。
「よな」とも読み、舞い上がった砂塵のせいで 空が暗くなることを 「霾晦(よなぐもり)」と言います。

牡丹(ぼたん)と芍薬(しゃくやく)
牡丹と芍薬の花はよく似ていますが、芍薬は草本、牡丹は木本の落葉低木です。
中国では、牡丹はもっとも格式の高い花とされ、そこから「王者の風格」「富貴」の花言葉がつけられました。

躑躅(つつじ)
ツツジが花の盛りを迎えています。
伊賀市余野公園には15,000本のツツジが咲き誇ります。また、大紀町大平つつじ山には、およそ10,000本が自生しており、昭和14年に県の名勝にもなりました。

栄螺(さざえ)や馬蛤貝(まてがい)、馬珂貝(ばかがい・あおやぎ)などの貝類、エンドウやそら豆、筍が美味しい季節です。

 

2023年4月20日
公益財団法人伊勢文化会議所 五十鈴塾 季節の講話より