神嘗祭とおかげ横丁
伊勢周辺・街中が最も活気に溢れる10月。
伊勢神宮では、年間1500回もの祭典がある中で、もっとも重要で大切な祭典「神嘗祭(かみなめさい)」が執り行われます。
「神嘗祭」は、毎年10月15日から執り行われ、その年の新穀をまず天照大御神に捧げ、自然の恵みや、五穀の豊穣、国民の平安などをお祈りする行事です。また、祭器具等も新調することから、「神宮のお正月」とも言われ、伊勢の十月を「神嘗正月(かんなめしょうがつ)」と、めでたく呼び慣らわしてきました。
※神嘗祭は、両正宮に引き続き25日まで、別宮を始め、摂社・末社・所管社に至るすべてのお社において行われます。
この自然の稔りに感謝をする「神嘗祭」に合わせ、伊勢市内では、「初穂曳(はつほびき)」を行います。法被姿の神領民と呼ばれる伊勢の人々が、その年に収穫したお初穂を神宮に奉納する行事で、外宮領では、陸曳(おかびき)で、内宮領では、川曳(かわびき)で、木遣り唄が響く中、米俵を積み、たわわに実ったお初穂を奉曳車や初穂船で、勢いよく両宮へ曳きこみます。それはまさに伊勢の秋の風物詩ともいえる光景です。
川曳の様子(2012)
伊勢神宮のお膝元で商いをさせていただいているおかげ横丁でも、この神嘗祭を奉祝し、「おかげ」の気持ちを神様にお届けするため、伊勢志摩の産物はじめ、おかげ横丁と関わりのある産物を毎年奉納しています。
ここ2年程は、新型コロナウイルスの影響で縮小しておりますが、それまでは、横丁の各店で使う食材の生産者さんや従業員ら約100人が行列をなし、神宮へ感謝の気持ちをお届けしていました。明治期までの神宮では神様へ少女が奉仕してたことに因み、五穀(米・麦・粟・黍(きび)・豆)を携えた少女たちを先頭に、奉納物を担ぎ神様にお届けします。奉納後は、今年の実りに感謝し、お神楽をあげます。
奉納行列の様子(2015)