8月23日から二十四節気は処暑です。
今年は暑い日が続きますが、暑さが止み夕方には秋の気配がする頃です。
伊勢神宮の祭典・その他の行事
9月4日
抜穂祭(ぬいぼさい)
10月の神嘗祭をはじめ、諸祭典にお供えする御料米の初穂を抜き奉るお祭りです。
神宮神田で稲の穂を一本ずつ手で抜いて束ねていきます。まだ鋭利な鎌がない時代に稲穂を一本ずつ抜き取っていたころの名残りと考えられています。
こちらは見学可能です。
8月31日
菅島 じんじ船
精霊送りの行事で1mくらいの船に12体の武者人形と小豆、もち米を入れ、小舟で曳いて沖に出て流します。悪霊退散と祖先を送る行事です。
9月5日
二見興玉神社 大注連縄張神事
1本が長さ35m・重さ40kg・太さ10cmで、計5本張られており、年に3回張り替えられています。
9月1日
二百十日(雑節)
立春から数えて210日目。
台風の襲来が多いとされています。
風祭(かざまつり)
稲に花が咲く頃なので風によって飛ばされるのを憂いて風鎮めの行事が各地で行われています。「風切り鎌(かざきりがま)」や富山の「おわら風の盆」が有名です。
伊勢神宮で執り行われる風日祈祭もこの一種です。
植物・自然
植物は、秋の七草(萩、薄、葛、撫子、女郎花、藤袴、桔梗)や嫁菜、狗尾草が出てきます。
萩は万葉集に一番よく出てくる植物です。
食物は、秋刀魚、ヒラマサ、秋アジ、ハゼ、梨、葡萄が美味しい時期です。
日本人はイカ好きで鮭と首位争いをするほどです。この季節はスルメイカが北海道近辺に集結します。
鳥羽志摩地方の諺として、海水が濁っている年は鰯好漁と言われています。鰯は栄養があり、海の米・海の牧草とも言います。
無花果は6,000年以上の歴史を持ちアラビア半島原産で旧約聖書にも登場します、不老不死の果物と信じられています。
秋の虫の声が聞こえてくる頃です。
2023年8月23日
公益財団法人伊勢文化会議所 五十鈴塾 季節の講話より