日に日に暑さが増していくこの季節、昔の人々がどのように暑さをしのぎ、夏を楽しんできたかを探り、先人たちの夏の過ごし方を一緒に楽しむお祭り「夏まちまつり」。
その昔、町のあちらこちらに登場した涼しげなもの売りや大道芸、無病息災を祈願する風習「茅の輪のくぐり」などをお楽しみいただけます。
「夏の楽しみ、なつまでまつな」を合言葉に春から夏の季節の移ろいをいっぱいに感じてお過ごしください。

茅の輪(ちのわ)くぐり

茅の輪くぐりとは、茅(かや)と呼ばれる草で編んだ直径数メートルの輪をくぐることで、災厄を祓い、無病息災を祈願する風習のことです。

日本神話のスサノオノミコトと蘇民将来(そみんしょうらい)の物語が由来とされています。
スサノオノミコトが旅の途中に宿を探していたところ、蘇民将来は自身が貧しいにも関わらず喜んでもてなしました。数年後、スサノオノミコトは再び蘇民将来のもとを訪れ、「病が流行った時には、茅の輪を腰につけなさい」と教えます。その教えを守った蘇民将来は難を逃れ、それ以来、無病息災を祈願し腰に茅の輪をつけるようになります。その後、江戸時代になると、現在のような大きい輪をくぐるようになります。

茅が使われるのは、生薬として夏の体力回復に用いられたから、魔除けの力を持つからなど諸説あります。

茅の輪のくぐり方
「祓い給へ  清め給へ 守り給へ 幸え給へ(はらいためへ きよめたまへ まもりたまへ さきたえたまへ)」という神拝詞(となえことば)を声に出さずに唱えながら、8の字に3度くぐり抜けるのが一般的です。

一周目:正面でお辞儀、左足で茅の輪をまたぎ、左回りで正面に戻る

二周目:正面でお辞儀、右足で茅の輪をまたぎ、右回りで正面に戻る

三周目:正面でお辞儀、左足で茅の輪をまたぎ、左回りで正面に戻る

本来、6月30日の「夏越の祓」に行われます。夏越の祓は、12月31日の「年越の大祓」と合わせ「大祓」と呼ばれ、イザナミノミコトの禊祓(みそぎはらい)を起源とする神事です。どちらも災厄を祓い清める儀式となっています。

おかげ横丁でも、6月上旬に開催する「夏まちまつり」において、茅の輪くぐりをしていただけます。