3月6日から二十四節気は啓蟄です。

冬ごもりの虫が地上に這い出す頃です。


伊勢神宮の祭典・その他の行事

3月4日~8日
御塩焼固(みしおやきがため) 御塩殿
伊勢神宮のお供えやお祓いに使われる塩は、昔ながらの方法で作られています。夏の土用の頃に汲み上げた海水から作った荒塩を三角錐型の土器に詰め、焼き固めて堅塩にします。作業は5日間行われ、約100個の堅塩を作るのです。

3月1日~14日
東大寺修二会
国宝の開山堂の庭には、斑入りの良弁椿が植えてあり、別名「糊こぼし」と言われています。
修二会では、仏前に僧侶の方々が和紙で作った椿の造花が供えられます。この造花、ある時、真っ赤な和紙にうっかり糊を零してしまい、それ以降、紅白の花弁を組み合わせた造花で飾り付けを行うようになったと伝えられています。

3月中旬
一色能
伊勢に伝わる戦国時代発祥の能楽です。伊勢三座の流れを汲むもので、450年の由緒ある伝統を有します。「和谷式翁」は、翁に先立ち鳥兜を冠った清めの役が所作を行うなど、大変に珍しい能楽で、翁が一色の翁舞と称され、国の選択無形民俗文化財に指定されています。


植物・自然

水温む
春になって水が温かさを増してくること。それに伴って芽ぐんだ水草は成長し、水に棲む生きものは活発に動き始めます。

海女漁解禁
伊勢志摩全域では3~4月ごろに海女漁が解禁となります。

菜虫蝶と化る
蛹で冬を耐え青虫となって蝶に変身します。蝶は「夢虫」「夢見鳥」とも呼ばれます。

桃や木瓜、タンポポが咲き始める頃です。
食べ物は鰆やワカメ、アサリ、山菜が美味しい季節です。

 

2023年3月6日
公益財団法人伊勢文化会議所 五十鈴塾 季節の講話より