風の市
春から夏へ移り変わるこの季節、時折吹く風に青葉の匂いを感じます。
野山や里に吹く爽やかなそよ風は、神田をはじめ周りの田んぼの早苗をゆらゆら揺らします。
伊勢神宮では、幣帛・御笠御蓑を奉り、風の神様に五穀豊穣を祈る「風日祈祭(かざひのみさい)」が5月14日に執り行われます。これに合わせ、おかげ横丁では、伊勢の爽やかな風を五感で感じていただく「風の市」を開催しています。
たなびく吹き流し、気持ち良さそうにくるくる回る風車、チリンと鳴る風鈴の音色。
町をぶらりと歩き、心地よい伊勢の風を五感でお楽しみいただけます。
風日祈祭(かぜひのみさい)
内宮(ないくう)の風日祈宮(かざひのみのみや)」と外宮(げくう)の「風宮(かぜのみや)」を中心とする伊勢神宮全125社で、御弊、御笠、御蓑を奉納し、「適度な風が吹き、適度な雨が降るように」と風雨の災害なく、五穀の豊かな稔りをお祈りする「風日祈祭」。毎年5月14日と8月4日の年2回、執り行われます。
風の神として知られる風日祈宮と風宮の祭神は、イザナギとイザナミの間に生まれた級長津彦命(しなつひこのみこと)と級長戸辺命(しなとべのみこと)。
風日祈宮(かざひのみのみや)と風宮(かぜのみや)
内宮別宮で伊弉諾の尊(いざなぎのみこと)の御子神であり、風の神様である、級長津彦(しなつひこのみこと)と級長戸辺命(しなとべのみこと)をお祀りしています。雨風は農作物に大きな影響を与えるので、神宮では古より正宮に準じて丁重にお祭りしています。鎌倉時代、蒙古襲来・元寇(1274年文永の役、1281年弘安の役)の時に2度の神風を吹かせ国難を救ったとされ、その功績から1293(正応6)年に末社格の「風神社」から「風日祈宮」、「風社(かぜのやしろ)」から「風宮」の「別宮」に昇格しました。
風日祈宮に通じる風日祈宮橋の上からは、美しい新緑や紅葉を望むことができます。