葉月(8月)
現代の9月にあたる葉月は、落葉や紅葉が始まる時期で、「葉落ち月(はおちづき)」が「葉月(はづき)」に転じたとされています。
ほかにも、越冬のためにシベリアから雁が渡ってくる月で「初雁月(はつかりづき)」、稲の穂が張る月である「穂張り月(ほはりづき)」「張り月(はりづき)」とする説もありますが、どれも根拠には乏しいといわれています。
~二十四節気~
7日 立秋
朝夕が涼しくなり、秋の気配が立つ頃です。まだまだ夏を楽しめますが、朝夕の日差しや涼やかな風、巻雲などわずかに秋の気配を感じられるようになってきます。
23日 処暑
厳しい暑さが峠を越した頃です。暑さが和らぎ、朝夕には涼しい風が吹き、心地よい虫の声が聞こえてきます。穀物が実り始めますが、同時に台風の季節の到来でもあります。
~伝統行事・風習~
1日 八朔参宮
8月1日を八朔(はっさく)といい、毎年、伊勢では五十鈴川で汲んだ水を瀧祭神(たきまつりのかみ)にお供えし、家に持ち帰った後、神棚で無病息災を祈る風習があります。
また、8月初旬は夏の一番熱い盛りでもあり、暑気払いと心身のリフレッシュの意味も込め八朔参宮が行われていました。
赤福では毎年、粒を残して作ったあわ餅に、昔ながらの黒糖味の餡をのせた八朔粟餅をおつくりしています。粟の粒感と黒糖の風味をお楽しみいただけます。
13日~16日 お盆
現在、日本各地で行われているお盆の行事は、古くからの農耕儀礼や祖霊信仰などが融合して伝わった風習が多く、地域や宗派によってさまざま違いがありますが、正式には盂蘭盆会(うらぼんえ)といいます。
盂蘭盆とは、古いインドの言葉「ウラバンナ」の音訳で、「逆さまに吊るされたような苦しみ(地獄の苦しみ)」という意味です。この苦しみを受けている人々をこの世から供養することによって、その苦しみを救いたいという願いを込めて盂蘭盆会が営まれています。
また、お盆には、先祖の霊が一年に一度家に帰ってくるといわれており、その霊を迎え、安らかに成仏してほしいという祈りと、生前の感謝の気持ちを込めて供養します。
かんこ踊り
盆の時期に行われ、初盆を迎える先祖を供養する念仏踊りで、伊勢市佐八町と円座町で見られます。雅楽の楽器の一つ「羯鼓(かっこ)」という太鼓を叩きながら踊ることから「かんこ踊り」と呼ばれています。
1000年以上前から伝わる郷土芸能ですが、外にもらしてはいけないという慣習があり、地域ごとの特色が強く、あまり知られていません。
三重県の無形民俗文化財に指定されています。
鳥羽菅島じんじ船
お盆行事の一つで、精霊船を作り沖へ送り出します。この船を中心に百万遍と呼ばれる大念珠を繰り、終わると送り船を先頭にお経を唱えながら鉦と太鼓の囃子で村を一巡します。町の人々は紙におはぎを包み家族の身体の悪いところと悪霊を一緒に精霊船に送りこみ海岸まで見送ります。