8月7日から二十四節気は立秋です。
今日から秋が立つ、というにはまだまだ早い気もしますが、日が沈むのも早くなりました。


この時期の行事

お盆
この時期の行事といえば、お盆にちなんだものがあります。祖霊は苧殻(おがら)の足を付けた胡瓜の馬に乗り、同じく苧殻の足を付けた那須の牛に荷物を積んで家に帰ります。志摩地方では外に餓鬼棚という棚を作り、お供え物を設けるところもあります。
13日には精霊棚を作り、迎え火を焚きます。15日には送り火で送り出します。精霊棚の供物を菰に包んで精霊流しを行います。

南西紀州地方では、宗派にもよりますが、お盆のお供えが非常に丁寧と言われています。例えば食事の用意一つでも、

13日
昼 水と西瓜、おちつき団子
夜 飯、煮物のおかず、漬物

14日
朝 ささげのお粥、漬物
昼 ぼた餅、ひょう菜の和え物
夜 飯、豆腐を入れた八杯汁

15日
朝 飯、焼きナス、漬物
昼 そうめん、具入りつけ汁
夜 精進すし
夜食 飯、とんが汁
お土産用のお団子

……などと非常に多彩で、一昔前は「この地方への嫁入りは盆が大変」と言われていたそうですよ。

 

かんこ踊り
かんこ踊りとは、盆供養の踊りです。伊勢市の佐八(15日)、円座(16日)のかんこ踊りは、県の無形民俗文化財に指定されています。三重県では、津市周辺から伊勢志摩地方、伊賀などで見ることができます。


植物・自然

桔梗、むくげ、芙蓉、水引、鳳仙花、鬼灯などが花を咲かせます。
食べ物では、秋刀魚、唐辛子、落鮎、西瓜、南瓜、へちま、冬瓜、こち、カワハギ、オクラなどが旬を迎えます。

トンボが飛び交うようになったり、ひぐらしの鳴き声がよく聞こえるようになるのもこの頃です。

 

2022年8月7日
公益財団法人伊勢文化会議所 五十鈴塾 季節の講話より