如月(2月)
厳しい寒さに備え重ね着をする季節(衣を更に重ねる)という意味の「衣更着(きさらぎ)」が転じた説が有力です。他にも陽気が更に来る月「気更来(きさらぎ)」や、春に向けて草木が生えはじめることから「生更木(きさらぎ)」になったなどの説があります。
~二十四節気~
4日 立春
旧暦では、一年のはじまりは立春からと考えられていました。そのため、節分や八十八夜など、季節の節目の行事は立春を起点として定められています。梅の花が咲き始め、徐々に暖かくなり、春の兆しがところどころで見られます。
19日 雨水
降る雪が雨へと変わり、雪解けが始まる頃です。山に積もった雪もゆっくりと解け出し、田畑を潤します。昔から、雨水は農耕を始める時期の目安とされてきました。
~伝統行事・風習~
3日 節分
「鬼は外、福は内」と声を掛けながら豆まきをして、福を寄せ鬼を退治する節分。古来、「季節の変わり目は邪気が入りやすい」「2月上旬はまだ寒く体調を崩しやすい」と考えられていたことから新年を迎えるにあたって、邪気を祓い清め、一年間の無病息災祈る行事として追儺(ついな)という行事が行われてきました。追儺の行事は、疫鬼などを追い払うもので、大晦日に陰陽師がきて厄や災難を祓い清める儀式です。この行事がいつの頃からか、豆をまいて鬼を払い無病息災を願う「節分」という行事として庶民の間に広まり、定着しました。
11日 高向御頭神事(たかぶくおかしらじんじ)
伊勢市御薗町高向にて毎年2月の第2土曜日に執り行われる国指定重要無形民俗文化財です。地元では「ジンジ」と呼ばれています。
始まりは、養和年間(1181~82)の天候凶変や悪疫の蔓延に苦しむ中、神童の少年が御神体であった獅子頭を持ち出し、お祓い清めの踊りを舞い、悪霊を祓い去ったことからきています。こうした歴史から、無病息災・厄払いを願う神祭として受け継がれてきました。
17日~23日 伊勢神宮祈年祭
「としごいのまつり」とも呼ばれる祈年祭。「とし」とは稲の美称で、「こい」には祈りや願いの意味があるため、お米を始めとする五穀の豊かな稔りを祈ることを意味します。また、稲の育成周期は日本人の一年といえます。
天皇陛下が春の耕作始めの時期に、五穀の豊穣をお祈りするのに際し、神宮では天照大御神をはじめとする神々にお食事をお供えする大御饌の儀が行われ、続いて勅使が天皇陛下の幣帛(へいはく)を奉る奉幣(ほうへい)の儀が行われます。祈年祭は両正宮に引き続きすべての宮社で執り行われます。
初午
2月最初の午(うま)の日のことを言い、お稲荷さんの総本山である京都の伏見稲荷大社に農耕を司る神様が舞い降りた日とされています。その後、全国各地の稲荷神社の祭りの日として広まっていったようです。
2023年は2月5日です。
伊勢市では松尾観音寺にて3月最初の午の日に初午大祭が行われます。この辺りの風習として参拝帰りに身に付けている物を何か落として行くことで、一年の厄を落とすと言われています。
松尾観音寺は日本最古の厄除観音と言われ、厄年に関係なく老若男女が一年の厄災を払うため松尾詣でをする風習があります。この風習は600年前の火災と言う災難が起きた際に、災難から無事に逃げられた観音様と開運招福にご利益ある龍神様にあやかったものです。
春一番
冬から春への移行期に、初めて吹く暖かい南よりの強い風です。気象庁の定義では、立春(2月4日ごろ)から春分(3月21日)ごろのまでの間に、広い範囲で初めて吹く暖かく(やや)強い南風のことを言います。この際、急速に発達する低気圧の影響で、竜巻などの突風を伴うこともあり、注意が必要です。
※伊勢神宮公式HP、伊勢志摩観光ナビなどを参考に作成しています。