長月(9月)
秋分を過ぎて日が短くなり、夜がだんだんと長くなっていく様子を表した「夜長月(よながつき)」が短くなり「長月」に転じたと言われています。ほかにも稲が長く成長する月という意味の「穂長月(ほながづき)」が略されたという説もあります。


~二十四節気~

8日 白露
朝夕の涼しさの中に肌寒さも感じ始める頃です。空が高くなり、いよいよ本格的な秋の到来でもあります。草花に白い露が結ぶことから名付けられた言葉です。

23日 秋分
春分と同じく、太陽が真東から昇って真西に沈み、昼と夜の長さがほぼ同じになります。この日を中心とした一週間が秋のお彼岸です。しだいに秋が深まっていきます。


~伝統行事・風習~

1日 二百十日
立春から数えて210日目の日で、毎年9月1日頃にあたります。
稲が開花する重要な時期である一方、農作物に甚大な影響を与える台風に見舞われることも多い時期なので、風を鎮める祭りを行って収穫の無事を祈ります。
また、旧暦8月1日の「八朔」、「二百十日」、「二百二十日」を農家の三大厄日としています。

9日 重陽の節句
現在は、あまりなじみがない「重陽の節句」。旧暦を使用していた頃は五節句を締めくくる最後の行事として盛んに行われていました。菊が美しく咲く時期で「菊の節句」とも呼ばれ、菊酒を飲んだり、栗ご飯を食べたりして無病息災や長寿を願います。

10日 十五夜
旧暦8月15日の夜のことで、必ずしも満月とは限りません。「中秋の名月」とも呼ばれています。
縄文時代には月を愛でる文化がありましたが、十五夜にお月見をするようになったのは、平安時代からです。860年頃に中国から伝わり、貴族の間で親しまれるようになりました。当時は、現代のように空を見上げて月を眺めるものではなく、水面や盃に映った月を愛でていたそうです。また、月を見ながら酒を酌み交わし、舟に乗って詩歌や管弦を楽しむという風流な催しでした。庶民に広まったのは、江戸時代になってからのことで、お月見をするというよりも、無事に収穫できたことへの喜びを分かち合い、感謝する日という意味合いが大きかったのです。

安乗の人形芝居(志摩市阿児町)
国の重要無形民俗文化財に指定されている「安乗の人形芝居」。文禄元年(1592年)に朝鮮出兵で功をなした志摩国の領主・九鬼嘉隆が安乗神社にお礼参りに訪れた際、村人に人形芝居を許したことが起源と伝えられています。
毎年9月に海中学校郷土芸能クラブの生徒たちが安乗神社境内の舞台で、奉納上演しています。2022年は3年ぶりに上演される予定です。

わらじ祭神事(志摩市大王町)
毎年9月の申の日に志摩市大王町で行われるダンダラボッチの民話が起源のお祭りです。古くは「ゆやの祭りと」言われていました。
地元のこどもたちが稚児になりわらじを曳く「わらじ曳き神事」と、海上の安全と大漁を祈願し、わらじを海へ流す「わらじ流し」の神事が行われます。
全国的にもまれな祭事であることと、古い伝統を有していることから1971年に三重県の無形民俗文化財に指定されました。

※伊勢志摩観光ナビなどを参考に作成しています。