二十四節気は8月7日から立秋、8月23日からは処暑です。

はじめて秋の気が立ち、朝晩は秋の気配がする頃です。


伊勢神宮の祭典・その他の行事

9月3日
抜穂祭(ぬいぼさい)
10月の神嘗祭をはじめ、諸祭典にお供えする御料米の初穂を抜き奉るお祭りです。
まだ鋭利な鎌がない時代に稲穂を一本ずつ抜き取っていたころの名残りから、今でも神宮神田で稲の穂を一本ずつ手で抜いて束ねていきます。
この様子は一般の方も見ることができます。

お盆期間
8月7日は盆の入りです。昔からお盆にはご先祖様の魂が家に帰ってくると言われています。お盆には、故人の魂をお迎えし、もてなし、お見送りします。お盆の入りには墓地の掃除や草刈りをしておくとよいでしょう。
13日には、精霊棚を作り、迎え火を焚きます。
祖霊は苧殻の足を付けた胡瓜の馬に乗り、茄子の牛に荷物を積んで家に帰ると言われています。また、志摩地方では、外に餓鬼棚を設けるところもあります。
15日は、精霊棚の供え物を菰に包んで精霊流し(灯籠流し)をし、送り火で送り出します。
お盆に蝉を捕ると先祖の祟りがあると言われています。

8月15日、16日
かんこ踊り(円座、佐八)
津市周辺から伊勢志摩地方、伊賀にかんこ踊りが残っています。
胸に「かんこ(羯鼓)」と呼ばれる締め太鼓を下げ、両手のバチで打ち鳴らしながら踊る民俗芸能で、かぶりものや背にかつぐものが大型で華やかな点も特徴です。

8月31日
菅島 じんじ船
精霊送りの行事で1mくらいの船に12体の武者人形と小豆、もち米を入れ、小舟で曳いて沖に出て流します。悪霊退散と祖先を送る行事です。

9月5日
二見興玉神社 大注連縄張神事
夫婦岩には、大注連縄が計5本張られており、年に3回張り替えられています。1本が長さ35m・重さ40kg・太さ10cmの大注連縄は威勢の良い木遣り唄が流れる中、氏子らの手によって、張り渡されます。


植物・自然

植物は、秋の七草(萩、薄、葛、撫子、女郎花、藤袴、桔梗)や鬼灯、狗尾草が出てきます。
萩は万葉集に一番よく出てくる植物です。

食物は、秋刀魚、秋アジ、スルメイカ、梨、葡萄が美味しい時期です。
農家では「貧乏秋刀魚に福鰯」という諺があり食卓に脂ののったふくよかな秋刀魚がのる年はお米が不作で貧乏になるということです。寒流にのってやってくる秋刀魚が豊漁ということは夏の低気温を示し、反対に鰯が豊漁の年は暖流で、暑い夏になるので実りある秋がやってくると言われています。

鈴虫など秋の虫の声が聞こえてくる頃です。

 

2024年8月7日
公益財団法人伊勢文化会議所 五十鈴塾 季節の講話より