8月に食べる行事食を紹介します。


精進料理
先祖の霊を迎え、供養するお盆に精進料理をお供えして食べることが多く、その理由は、故人への感謝と成仏を願うだけでなく、施餓鬼(せがき)という餓鬼道に堕ちた亡者に対する供養の意味もあるそうです。
精進料理は肉や魚、豚、鳥などの肉類を使わず、豆や野菜を使った料理のことを言いますが、その中でも食べてはいけない食材があり、「五辛(ごしん)五葷(ごくん)」と呼ばれています。五辛は、辛味のある野菜、五葷は臭味のある野菜を指し、「にら・ねぎ・玉ねぎ・にんにく・らっきょう」の5つの食材です。

白玉団子
白玉団子はお盆の行事食です。
先祖を迎えるときは「迎え団子」、送り出すときは「送り団子」と呼ばれています。形や盛り方は地域によって異なるそうです。

黒ごま粥
八朔(はっさく)とは8月1日のことで、この頃に稲穂が実り始め、この日に農村では初穂を恩人などに贈る風習「八朔の祝い」がありました。これは「田の実(たのみ)の節句」とも呼ばれています。
「八朔の祝い」は、収穫期前の最後の祭りで、疫病除けに効果があるとされたススキの穂を黒焼きにしたものをお粥に混ぜた尾花粥を食べる風習がありました。やがて、江戸の頃にこの風習が民間に広がる際に黒胡麻粥に変わったと言われています。黒胡麻そのものも暑さ疲れに効果的とされる食材で、夏バテ対策にはもってこいです。

盆汁
三重県のお盆のお供えのひとつで、別名「七色汁(なないろじる)」と呼ばれているように、7種類の夏の野菜を使用します。お盆に殺生してはいけないとされていることからカツオ節や煮干しの出汁は使用しないのが特徴です。野菜を適当な大きさに切り、湯で煮て、最後に味噌を溶き入れて食べます。東紀州地域では、食べる日によって、具材や名前が変わるそうです。

※日本の行事・暦、行事と食事などを参考に作成しています。