4月に食べる行事食・食べ物を紹介します。


甘茶(あまちゃ)
4月8日は仏教の開祖・お釈迦様の誕生を祝う行事「花祭り」です。お釈迦様が生まれた地とされるルンビニの花園に見立てた花御堂の誕生仏に甘茶をかけてお祝いします。これは、お釈迦様が生まれたときに九頭の龍が現れ、頭から香湯(甘露の雨)を注いだという伝承に由来するそうです。
甘茶を飲むと無病息災で過ごせる、目につけると目が良くなるなどと言われてきました。また、甘茶で墨をすり、「千早振る卯月八日は吉日よ、神下げ虫を成敗ぞする」と書いて門口や柱の逆さまに貼り、害虫よけのおまじないにする風習もあります。

花見団子
お花見に欠かせない花見団子。
誕生のきっかけは豊臣秀吉だと言われています。現代の花見スタイルのルーツになる「醍醐の花見」と呼ばれる宴会を開き、その際、お茶菓子として招待客に振る舞われたのが、色鮮やかな花見団子だったそうです。
一般に食べられるようになったのは、お花見の習慣が庶民の間に定着した江戸時代中頃だと言われています。以降現在に至るまで、花見団子はお花見のお供として親しまれています。色には、邪気払いや日本の四季の意味が込められています。また、串にささっている順番には、桜のつぼみ→桜の花→葉桜という、桜の木の変化を表現しているという説があるそうです。

イタドリ
春を知らせる「イタドリ」。4~5月に旬を迎えます。
日当たりの良い道端、土手、山野、荒地などいたる所に生えています。
根茎部分を天日乾燥させたものを漢方では虎杖根(こじょうこん)と呼び、緩やかに排便を促す作用があり便秘薬として、また、若い葉には止血作用や鎮痛効果があるとされ、古くから民間療法に用いられてきました。この”痛みを取る”ことから名づけられたと考えられています。

新玉ねぎ
新玉ねぎとは早採りの玉ねぎのことです。収穫後に乾かしてから出荷する玉ねぎより水分が多く、強い甘みを感じられます。辛みも少ないのでサラダなど、生で食べるのがおすすめです。シャキシャキ感が愉しめます。

桜海老
その名の通り、桜のようなピンク色が鮮やかで春の花を思わせる桜海老。全国で唯一静岡県の駿河湾のみ水揚げされる希少な海老です。
春と秋に旬を迎え、春の旬は4月頃から初夏までです。香ばしくふくよかな味わいが愉しめ、丸ごと料理に使えます。鮮やかな色合いは料理のアクセントにもなります。

ニシン
春になると産卵のために大量に浜に押し寄せることから別名「春告魚(はるつげうお)」と呼ばれています。旬は春と秋冬の年2回。
塩焼き、フライ、マリネなどとして食されるほか、その卵を干したり塩蔵したりしたものは「数の子」と呼ばれ、珍重されています。