お正月や成人の日など「物事の始まり」を祝う行事が多数ある1月の花を紹介します。


松竹梅
縁起のよい花で挙げられる「松・竹・梅」。「歳寒三友(厳寒三友)」と称され、寒い冬でも葉が枯れないため、その強さからお正月の縁起物として尊ばれてきました。
松は、常に青々とした葉を保つことから中国や日本では縁起の良い植物とされています。「神を待つ(まつ)」「神を祀る(まつる)」という謂れからも、神仏の宿る木として崇められたり、神仏への奉納にも用いられたりする木です。
竹は、その成長の速さや常緑の植物であることなどから縁起のよいものとされ、「斎竹(イミダケ)」として結界の四隅に設えるなど、不浄を防ぐものと尊ばれてきました。
梅は、寒い季節に花をつけることから、強く縁起の良い花とされました。

七草
春の七草とは、せり・なずな・ごぎょう・はこべら・ほとけのざ・すずな・すずしろのこと。
1月7日は、「人日(じんじつ)の節句」といい、五節句のひとつです。古代中国では、この日に七種の菜の煮物や汁物を食べ、無病息災を願っていました。一方、日本では、お正月に野原の若菜を摘んで食べる「若菜摘み」という風習がありました。これらの風習が合わさって、七草粥を食べるようになったと言われています。

蠟梅(ろうばい)
花の少ない季節に香りの良い花を咲かせてくれる庭木です。
質感が蝋でコーティングしたように見えることから「蝋梅」という名前が付けられたと言われています。また、別説では、花の咲く時期が臘月(ろうげつ)と呼ばれる太陰暦12月の頃だから、臘月の臘の字と梅を併せて「臘梅」と呼ばれるようになったとも言われています。

南天
難を転ずることにも通じるため、縁起木としてお正月に飾られます。
戦国時代には、武士の鎧櫃(よろいびつ、鎧を入れておくふた付きの箱)に南天の葉を収め、出陣の折りには枝を床にさし、勝利を祈ったそうです。
漢方では、乾燥させた果実を南天実(なんてんじつ)といい、咳止め剤(鎮咳剤)として利用されています。