5月5日から二十四節気は立夏となりました。
おかげ横丁では今回から、節季ごとの伊勢の行事や暮らしをお届けします。
夏が立つゆへ也(五月五日~五月二十日)
この日から立秋の前日までが夏となります。
二十四節気とは
日本人は四季の変化に応じて暮らしてきました。
夏には暑さを受け入れながらその中に楽しみを見出し、冬はいかにして暖かく過ごすか苦心しながらも、雪や氷に美を見出してきました。
そんな季節感のよりどころとなったのが二十四節気です。
二十四節気とは、太陽の通り道360度を15度ずつ24に区切り、季節の移り変わりを表したもので、15日程度で移ろいます。
江戸時代までの日本の暦は月の満ち欠けを基準とした太陰暦でしたが、月は29.5日で満ち欠けを行うため、長い年月の間には季節感が狂ってきます。
そこで、農事のめやすにもなるよう、季節感を補うために二十四節気が設けられました。
もともとは中国の黄河の中下流域で生まれたもので、日本には平安時代に入ったようです。
当初は日本とは季節感が異なるものでしたが、現代にいたる間に少しずつ修正され、今の二十四節気となったとされます。
伊勢神宮の祭典行事
五月七日
新田御田植初(しんでんおたうえはじめ)
伊勢市楠部町の田んぼにて、室町の装束でお田植が行われます。
五月十四日
神御衣祭(かんみそさい)
神宮の祭典の中でも古いものの一つで、内宮の正殿と荒祭宮でのみ行われます。
風日祈祭(かざひのみさい)
風日祈宮に蓑と笠を奉り、雨風がよい加減で訪れて豊作となるようお祈りします。
五月十八日
延寿太々神楽(えんじゅだいだいかぐら)
伊勢に住む80歳以上の高齢者御神楽を奉奏し、延寿杖を授与します。
植物・自然
薔薇
おかげ横丁近くの神宮会館裏手には、「神宮ばら苑」という場所があり、様々な種類のばらが育てられています。ここでは、プリンセス・マサコなどの美しいプリンセス・ローズも見ることができます。今年は9日からの開園だそうです。
カジカ蛙
脇を流れる五十鈴川からは、「ホロロロロ……」と清流にしか生息しないカジカ蛙の美しい鳴き声を聞くことができます。
2022年5月6日
公益財団法人伊勢文化会議所 五十鈴塾 季節の講話より