夏本番を迎える7月の植物を紹介します。



7月7日はご節句のひとつ「七夕の節句」です。笹竹に短冊などを飾る風景は夏の風物詩にもなっています。
笹は生命力が非常に強く、寒さや暑さ、強風や雪にも負けない丈夫な植物であることや、風になびいた時の独特の葉の音が神様の宿る依代と考えられ、神事に使われることが多く七夕にも使われています。また、葉っぱに殺菌効果があることから、神秘的な植物として扱われているようです。

朝顔
別名を「牽牛花(けんぎゅうか)」と言います。
中国では、昔、朝顔の種が薬として非常に高価で珍しいものであったため、贈られた人は牛を引いてお礼をしたことからそう呼ばれています。平安時代、日本にも伝わり薬として重宝されました。その後、江戸時代になると、朝顔が七夕の頃に咲くことと「牽牛花」と呼ばれていたことから、花が咲いた朝顔はひこぼしとおりひめが年に一度出会えた事のあらわれとして、縁起が良いものと言われていました。

蓮(はす)
水底の土中に塊茎をつくり、そこから葉と花茎を水面に伸ばす水生植物です。
開花期間は4日間ほどで、夜明けとともに開花し、昼には閉じてしまいます。その開閉を繰り返し4日目には、夕方まで咲き続けて散っていきます。
言い伝えでは、お釈迦様は生まれてすぐに7歩歩き、「天上天下唯我独尊(てんじょうてんげゆいがどくそん)」という第一声を放ち、お釈迦様の歩いた跡には、蓮の花が咲いたとされています。そのため、仏教において蓮は神聖な植物として扱われています。

睡蓮(すいれん)
古代エジプト時代より生息していた睡蓮の花。丸い葉が水に浮かび、やさしい色合いの花が昼に咲き日が高くなるころには閉じます。夜になると花を閉じて水中に沈む様子がまるで寝ているように見えることから、この名前になったそうです。
睡蓮は水辺に咲くことから、花を摘み取ろうとすると魔物によって水中に引きずり込まれるという伝説がドイツなどヨーロッパ各地にあります。

ひまわり
幅広い人に親しみのあるひまわり。ひまわり畑ではすべての花が太陽の方を向いているように思います。これは、茎が部分によって成長スピードが変わることで起きています。太陽光が当たる部分よりも、当たらない部分の成長が早くなるのです。
また、花が太陽に似ているからということから英名では、sunflower(サンフラワー)と呼ばれています。他にも「following the sun」から、「sun-follow」になり「sunflower」に変化したという説などがあります。