マツダケン インタビュー
― 動植物の共生が生む、やさしい世界 ―

作品世界・創作について
マツダケンさんの作品には、動物と植物がひとつの生命体のように溶け合う独特の世界が広がっています。その原点は、ふとした思いつきからでした。
「身近にある動物や植物を組み合わせたら面白いのではと思ったんです。最初は“コケガエルに苔を載せてみた”ことが始まりでした。」
色彩は豊かでありながら、全体で見ると不思議と調和しているのが特徴です。
「いろんな色を使いますが、最終的に2〜3色に馴染むように整えています。線も“心地よく見えるバランス”を意識しています。」
技法はペンと水彩。その選択にも、ひとつの出会いがありました。
「樋口裕子さんの作品に感銘を受けたのがきっかけです。にじまないペンの存在を知って、自分の表現が広がりました。」
新作づくりの入り口は、色・構図・モチーフのどれとも限りません。
「タイトルから入ることもあります。“夏の海”なら、海の動物・夏の色・夏の植物を選んでいきます。」
動植物の組み合わせ方にも、季節や色の意味が息づいています。
「今の季節なら“藤”。藤の紫と和のイメージから“雉”を連想して組み合わせる、というように意味のつながりを大切にしています。」

作家としての歩み
保育士、市役所職員という安定した職から画家へ。その転機は、SNSに投稿した一枚の絵から始まりました。
「投稿した作品に買い手がつき、オファーも増えていきました。安定した職と、自分が本当にやりたいことを考えたとき、この道を選びました。」
独学で技術を磨いてきたというマツダさん。
「作品を作る中で得た気づきを次に活かす。その積み重ねです。」
鳥取から関東へ拠点を移したことで、創作の幅も広がりました。
「入ってくる情報が増え、考え方が柔軟になりました。表現の奥行きが広がったと感じています。」
展示の中で特に印象深い場所を尋ねると、迷わず「伊勢」と答えます。
「伊勢神宮の空気感は特別です。」

伊勢・おかげ横丁での展示について
伊勢の文化から受けたインスピレーションについて伺うと、クジラの作品を挙げてくれました。
「クジラは神の使いとして崇められてきた神聖な存在。伊勢の文化と結びつきました。」
今回の展示では、前回とは違った表現にも挑戦しています。
「前回は墨を和風な作品に半ば限定して使っていましたが今回は表現の範囲を広げて多くの作品に取り入れています。」

創作の裏側
創作の日常は、静かで穏やかな時間から始まります。
「朝は飼い猫と遊んだり、コーヒーを淹れてリラックスします。創作に入ると、15時間続けることもあります。」
作品を通じて届けたい気持ちは、とてもシンプルです。
「深く考えず、見たままの直感を楽しんでほしいです。」







