残暑の中にも秋の訪れを感じる9月の植物を紹介します。


コスモス
ピンクや白に加えて最近は、濃赤、黄やオレンジ色、複色が登場し、年々カラフルになっているコスモスが秋風に揺れる姿はかわいらしく、秋の風物詩のひとつと言えます。
この辺りでは、志摩市観光農園やアスピア玉城などのコスモス畑が有名です。

ススキ
秋の七草のひとつで、お月見の飾りに欠かせない「ススキ」。
本来、お月見には実りを象徴する稲穂をお供えしなければいけませんが、稲刈り前で手に入らなかったため、似ているススキを用いるようになったと言われています。また、月の神様の依り代とも考えられています。
鋭い切り口や葉が鋭利な刃物のようなので、魔除けの力があるものとされ、お月見の後、軒先にススキを吊るす地域もあるそうです。

彼岸花(ひがんばな)
秋のお彼岸の頃に真っ赤な花を咲かせる「彼岸花」。別名は「曼殊沙華(まんじしゃげ)」や「狐花」などと呼ばれています。
田んぼの畔で見かけることが多いのは、昔は自然災害などの被害による飢饉のとき、彼岸花の球根を食べる風習があったからと言われています。しかし、強い毒があり、何度も毒を抜き、手間をかけないと食べられません。
毒がある球根ということもあり、畑や田んぼなどを食い荒らすモグラ除けに植えたとも言われています。

金木犀(きんもくせい)
金木犀は、9月下旬~10月中旬に、強い芳香のある橙黄色の小さな花を枝に密生させて咲きます。特に夜間は、近くになくても香りが感じられるほどに強く香り秋を告げる花として知られています。
名前の由来は、樹皮が動物のサイ(犀)の皮膚に似ていることと、金色の花を咲かせることからです。
中国では、唐・宋の時代から、名月とともに金木犀の花の香りを楽しむ風習がありました。


9月9日は「重陽の節句」です。別名「菊の節句」とも呼ばれています。
美しい日本の秋の中でも特に目を引くのが菊の花です。日本の文化において、菊は古代から美の象徴とされ、皇室や武家の紋章、詩や文学作品に頻繁に登場してきました。その理由の一つは、花言葉です。品位、高潔、誠実さといった美徳を象徴し、日本の伝統的な美意識と共鳴します。また、秋の到来を告げる美しい花として日本人の季節感とも深く関係してきました。
日本の文学や詩においても、その美しさが讃えられています。