暦の上では秋となる8月の植物を紹介します


ホオズキ
お盆には欠かせない植物の一つホオズキ。赤い実を提灯や霊魂に見立てていたようです。
種類も豊富で、世界には80品種もあるといわれています。
熟した果実の種を取り、口に含んで音を出す遊びは、平安時代から行われており、その遊びの様子「頬突き」から名前が付いたとも言われています。
また、よく熟した赤い実を数日水につけておくと葉脈だけが網状に残り、非常に美しい飾りになります。

ミソハギ
お盆の時期も咲いているため供花としてよく使われます。迎え火を焚く前にミソハギを使って周囲に水をまく風習もあります。
名前の由来は、萩に姿が似ていて、祭事などで穢れを払うという意味の「禊萩(みそぎはぎ)」が転じたと言われています。

女郎花(おみなえし)
秋の七草のひとつ。
春の七草が無病息災を祈るものに対し、秋の七草はその美しさを鑑賞して楽しむものです。
花の美しさが美女を圧倒すると言われているほど、優雅で美しい花を咲かせ古代の人に親しまれていました。そのため、多くの歌や句にも詠まれています。また、女郎花の根と全草には解毒・鎮痛・利尿などの作用があります。

リンドウ
薬草としても知られるリンドウは、その根が大変苦いとされています。同じく非常に苦い薬として「熊の胆(熊の胆のうを干したもの)」が知られており、そんな熊の胆以上に苦いという意味で竜の胆=竜胆と名づけられたそうです。

ノウゼンカズラ
暑い盛りに、ひときわ目を引く濃いオレンジ色の花を咲かせます。
古くから庭木として親しまれてきた、つる植物です。気根を出して木や壁などを這い登り、夏の間じゅう、花を咲かせます。
漢字では「凌霄花」と表記します。「凌」は「しのぐ、上回る」で、「霄」は「そら」から、空より高いところに咲くという意味から「りょうしょう」と名付けられ、それが「のうせう」「のうぜん」となまり、蔓を意味する「かずら」が付け加えられました。